夢想メモリ

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ニコニコ動画に反ワクチン動画が増えていることの影響

最近、ニコニコ動画には新型コロナウイルスのワクチンに反対する動画が増えている。ニコニコ動画は削除の基準が甘く、youtubeでBANされたワクチンに反対的な主張をする投稿者が集まって来ており、伴って反ワクチン思想の視聴者もニコニコ動画にやって来ている。ここで言う反ワクチンというのは、単なるワクチン未接種者を指す訳ではなく、ウイルスの存在、検査の信頼性、ワクチンの内容物や効果などコロナウイルス対策の前提に強い疑義を持っていたり、何らかの陰謀を信じているような思想を指している。普段VOICEROIDや淫夢動画を見ているのだが、コロナウイルスやワクチンに関する話題が出ても、そこで反ワクチン的なコメントは殆ど無く、むしろ反ワクチン思想をネタにしている感じだったので、ニコニコ動画に反ワクチン動画が増えていることは、最近まで実感が無かった。

いざ反ワクチン動画を検索してみると、かなりの数の動画が投稿されていたことに気が付いた。ネタや釣りなのかと思ったがそういう動画は少なかった。コメントは批判の嵐かと思ったが、肯定的な長文が目に付いた。どこかの動画を転載して来たようなものが多く、再生数は多いが、いいねやコメントは少なかった。その時に見た投稿者は千人単位のフォロワーが居た。ニコニコ動画の狭い界隈の感覚からすれば、かなり多く感じられる数字だった。反ワクチン思想を持つ視聴者は、コメント等の目立った行動をしないが、相当な数いるのだろうと、この時は思った。

ちょっと話が脱線してしまうが、ニコニコ動画に反ワクチン動画を上げていたある投稿者がyoutubeにだけ投稿していたゆっくり解説、というか近況報告みたいな動画の内容がぶっ飛んでいた。2021年の夏頃に世界戦争が起きる、芸能人や政治家はゴムマスクを被った影武者である、これから全世界の人にベーシックインカムが配られるから仕事を辞めたとかいう内容だったと思う。

ニコニコにもこういった動画は無いのかと探していたら、ワクチンに関するゆっくり解説を目にした。ワクチンを打たないのはどんな人か、反ワクチンが何故広まるのかとか、存外まともそうな内容だった*1。しかし、コメントは半分くらいが反ワクチン的なもので、ニコられていた*2コメントも半分くらいは反ワクチン的な主張だった。多数派とまでは言えないとしても、コメントにおいてある程度の割合を占める意見が動画によってこれほど変化しうること、これほど当てにならないことは驚きだった。この投稿者は、私が見つけた時には、低レベルなコメントに嫌気が差したという旨を書き残して投稿を辞めてしまっていた。反ワクチン思想を持った視聴者がコメント等の目立った行動を取らないというのは誤りだった。

ワクチンの動画を視聴する者は、当然ながら、他の動画と比べてワクチンに何らかの関心を抱いてる人が多いと考えられる。それが今や反ワクチンの温床と化しているニコニコだと、反対的な者が多くを占めるようだ。VOICEROIDや淫夢の動画でワクチンの話題を扱ってもこのようなコメントが見られないのは、VOICEROIDや淫夢だから見ると言う人が多く、またこれらを愛好する人はワクチンに関して反対的な考えを持っていない人が多いからだろう。これらに比べると、ゆっくり解説という文化は弱く、ゆっくりが使われているから見るという層は大きな割合を占めないようだ。そうでないのだとしたら、ゆっくり解説を好む人は陰謀論の信者が多いのだろう。それと、転載動画にコメントが少ないのはどんなジャンルでも殆ど当てはまることだった。

東証一部上場企業の子会社が誤った情報を社会に広めることに加担しているという巨視的な観点は一先ず置いておくものとして、ニコニコ動画の中だけの矮小な視点に立てば、政治カテゴリのランキングなんて反ワクチン動画に占領されようがどうなっても良いと思っていた。しかし、あれほどコメントの質が低下してまともそうな動画投稿者が辞めてしまった所を見ると、反ワクチン動画が増えることの影響は、矮小な視点でも私が思っていたより深刻そうだ。ニコニコ動画の運営は反ワクチン思想を持った人が集まって来る現状を商機と考えているのだろうか、いつものように対策が遅いだけなのだろうか。期待はしていない。

*1:まともだと断言しないのは、筆者がこのような分野に詳しくなく、動画で示されていた引用元も確認していないからである

*2:個別のコメントを高評価する機能。プレミアム会員だけができる