SteamのLAMUNATION! -international-を遊んだので簡単に紹介と感想

Lamunation!は2016年6月に発売された18禁ノベルゲーム。 Steam版は2019年11月リリース。余談だが最初の予定はQ2(4～6月)だった。 KOTYeで知って面白そうだと思っていた所、 旧正月セールで924円だったので買った。 一通り終えたので簡単に紹介と感想を書く。

できるだけネタバレしないように書くが、そもそもこのゲームにネタバレして困るほどの内容が無い。

最大の特徴

主人公と可愛い女の子たちが頭のおかしいことをやったり、 下品なことを言ったりしている雑談パートが内容の大半を占めている。 とにかくバカな内容で癖が強いので、体験版などで雰囲気を楽しめるか確かめてから購入することを推奨。 動画配信も公式に許可されているので動画で序盤を見てしまっても良いかも。

Steamで買えるのは全年齢版？

Steamで買えるのは全年齢版……なのだが開発会社が全年齢版を18+バージョンにするパッチを無料で配布している。 その辺の詳しいことはSteamのストアページのレビュー参照。

この作品の魅力は雑談パートがほぼ全てで、残りの魅力は18+の部分にある。 よって比重は小さいので無理に18+版にする必要はない、と思う。 私は18+バージョンにしてプレイしたので全年齢版でどうなっているのかは知らない。

私事だが、狭義のエロゲ(恋愛ノベルADV)は人生初だった。 いやこれを狭義のエロゲに含めて良いのかな。

システム

メインヒロインはらむね、アイリス、レイラ、陽菜の4人。 アイリス＆レイラは双子で2人まとめて1ルート。これらとおまけエピソードがあって合計4ルート。 選択肢は実質無い。

最初のプロローグが終了すると、らむね・アイリス＆レイラ・陽菜の3つのルートを選択できる。 いずれかのルートで1話終えると進行度が20%上がってルート選択画面に戻る。 4話を終えるまではこの方式だが、 進行度が80%になってから当該ルートを選択すると(エピソード5に突入すると)、以降エンディングまでそのルートで進む。 いずれかのルートを終えるとタイトルメニューからAFTER EPISODEが選べるようになる。 こちらは18+シーンをメインに据えた後日談になっている。 らむね→アイリス＆レイラ→陽菜→AFTER EPISODEの順にプレイすることを想定されているっぽい。

機能としてはセーブ＆ロード、クイックセーブ＆クイックロード、オート、バックログ、高速スキップ、 シーンスキップ(エピソードを1つ飛ばす)、CGギャラリー、18+シーン回想モードなど一通り揃っている。 独特なものとしては、進行度にかかわらず好きなエピソードが見れるチャプター選択がある他、 タイトルメニューに全要素開放ボタンがある。

バックログの内容がセーブファイル毎に独立していてロード後に参照できるのは良いと思ったが、 利用するほど話に内容が無かった。

ストーリー

最初に述べたように、このゲームは大半が雑談パートである。 メインシナリオは薄く、最初の展開を1行くらい説明するだけで全体の数割に相当するので、内容自体の紹介は書けない。 その内容も起伏が殆ど無くシンプルなのに、説明不足で都合の良さを感じる展開が続いて安っぽい。 また、細かい所では、ギャグ以外でも唐突で無意味な設定や展開が多く、回収されない伏線が大量にある。 あとは主人公たちがよく無双する。 はっきり言ってストーリーに期待すること自体が間違っている。

雑談パートが面白くても、メインシナリオ中心になる真面目(当社比)な部分がつまらないのが残念だった。 不自然さを感じさせる展開に対し、ギャグで収集を付けていく形で進行すれば良かったのではないかと思う。 その他、地の文の質的な乏しさとか重言とか下手な皮肉とか、ギャグパート以外は些細な点を論うとキリが無い感じ。

別のルートを見てから異なるルートを見ると発見がある所は面白かった。 伏線が回収されると言うより、その設定は冗談じゃなかったのか……とか困惑できることが多々ある。 あと一部ルートの演出はちょっとだけ面白いと思う部分もあった。

プレイ時間はボイスを全部聞いているとAFTER EPISODEまで含めて約30時間。

キャラクター

メインキャラクターは主人公＋ヒロイン4人。 比重はあるものの全員がボケとツッコミを兼ねており、相手によって役割が変わる感じ。 ヒロインたちは姿も声も可愛いし、進めていけばそれなりに個性も感じられる。 主人公に対する好感度は最初から最大のような感じで、恋愛要素は少ない。

また、ヒロイン4人全員バイで、ほぼ全てのエピソードで若干の百合描写がある。 主人公より先にヒロイン同士で関係を持っていたりする。良作。 しかし、そのようなCGは1枚しかない。駄作。

18+シーン

まず、このゲームでも通常時と違って殆どふざけない。 内容も雑談パートと比べると遥かにノーマルだと思う。でも実用性は低め。

18+シーンのCGクオリティは若干の難がある。 全年齢版でも見れるであろうイベントCGよりは丁寧だが、立ち絵ほどクオリティが高くない。 サンプルは公式サイト(Steamではなく開発会社の方)で確認できるので、 実用性を気にする人は予め見ておくと良い。 それより、元から恋愛描写が乏しく、頭のおかしい日常パートとの落差が激しい為、18+シーンに適応するのが難しいかも知れない。

感想を述べると、アイリス＆レイラが通常時とキャラクター面で連続性が感じられるし、内容のバリエーションが豊富で一番良かった。 でも正直に言うと、実用性を考えるならコンセプトがはっきりしているソフトを最初から選ぶべきだったとも思う。 演技が大袈裟ではないか？長くないか？とか思う所もあったのだが、他の方が指摘していない点を鑑みるにエロゲとはそういうものなのだろう。

あとAFTER EPISODEの5Pは無理があると思った。 ノベルゲームのシステム的にもCGの枚数的にも実際に行うにしても。

バグや不具合

• ボイスと文字が少し違う
• ボイスと台詞が1～2つずつずれる
• スクリプトコマンドみたいなものが見える
• シーンスキップで暗転したままになる(陽菜10のみ？)
• 同じルートの前エピソードをロードして最後まで見ると進行度が上がってしまう？(4話目まで)

というような不具合がある。上3つは必ず発生する箇所が複数あると思う。

特に18+シーンで台詞ずれが起きるのが致命的。これは回想モードだとずれない。 台詞ずれが発生する箇所はバックログを見ると改行が足りないことが多い。

進行度が上がってしまうのは発生条件が分からない。 他ルートなら発生しないとかエピソード選択なら発生しないとか考えていたのだが、 何か想定より広い範囲で発生した記憶がある。 一旦終了してからロードすれば多分防げるし、早々発生するものではないと思うし、 このゲームにはエピソード選択がある。 発生して気になる場合は、……\Steam\steamapps\common\LAMUNATION! -international-\savedata\内のファイルを消せばOK。

以前に酷評されている中にこういう情報が少ない所を見ると、 これら不具合の大部分はSteam版になって追加されたもののようだ。 1月まではバグ修正が行われているので、ここに書いた不具合は後に解消されているかも知れない。

Steam実績

実績が14個ある。内10個は普通に全ルートを終えれば取得できる。残りの4つは

• NEW GAMEから英語で始める
• NEW GAMEから中国語で始める
• 陽菜ルートのエピソード10で「部屋を出る」を2回選ぶ
• 全要素開放ボタンを押す

ことで取得できる。 普通にプレイしたい人は、全てのルートを終えてから全要素開放ボタンを押すと良い。

総評

雑談パートの雰囲気が好きならおすすめ。 雑談パートに期待していた自分の中でも評価が下がる所はあったが、 元は税抜6800円でボリューム等はそれなりにあって、Steamで定価税込1320円(20年3月現在)なので、 ほぼ満足できる内容だと思う。